「氷炎牆に鬩ぐ」感想

granblue

 怒涛の11月お疲れ様でした。そしてパーシヴァル最終上限解放おめでとうございます。
 はじめての救国からずっとフェードラッヘを追いかけてきて、二次創作をしたりもしてきましたが、まさかここまでプレイヤーに愛され、CDや新イベントなどを展開してもらえるとは夢にも思っていませんでした。
 どちらかと言えば男性向けの傾向が強いグラブルで、男性キャラメインのシナリオをやること自体驚きでした。実際、グラフィックアーカイブスⅠの開発者インタビューでもそのように仰っておられます。まさかその後コラボカフェが開催されたりCDだったりが発売されるなんて、夢にも思っていませんでした。本当に。微々たるものではありますが、ガチャを回したり缶バッジを買ったり、バレンタインにリアルチョコを送ったりして支えてきてよかった……と思っています。

 というわけで、フェードラッヘ関係者が主役のシナリオ第3部、「氷炎牆に鬩ぐ」の感想を書こうと思います。先月の「氷晶宮でミックスパイを」の感想を飛ばしてしまってすみません。
 なお、あくまで主観ですので、「こういう考え方もあるのか」という優しい気持ちで読んでいただければ幸いです。また、この記事を読んだことで気分を害したといった苦情はお受けいたしかねますのであらかじめご了承ください。

私個人の評価

全体評価:★★★
キャラクター:★★★★★
ストーリー:★
戦闘:★★★★
ファンサービス:∞

私個人の感想

 重度のフェードラッヘ好きなのにストーリー星1個ってどういうこと……みたいに思われるかもしれません。しかし正直な感想です。どうしてそう思ったのかについては最後に述べますのでお許し下さい。

 お母様、アグロヴァル、ラモラック、みんなとても可愛かったですね……私はラモラックが一番好みなのでぜひCV森久保祥太郎でプレイアブルにしてほしいです。ぜひお願いします。この三人の描写はとても良かったです。パーシヴァルの加入フェイトともしっかり連動させてありましたし、ショタ三兄弟可愛すぎました。
 途中の戦闘も、あえて無抵抗のパーシヴァルを立たせる演出があって、ゲームらしくてよかったです。キャラクターの状況をあえてゲームシステムで表現するの、好きです。
 それからファンサービスですけど、これは一介の腐女子としての目線ですが、あらゆる組み合わせの支持者誰もがそれなりに満足できるように書いているな……と感心してしまいました。どれかといえば、ヴェイン&ランスロット、パーシヴァル&ジークフリートが多めかな、とは思いましたが。ひいき目ではなく。

 で、ストーリーについてなのですが。
 「氷炎」につながるこれまでのエピソードをすべて踏まえた上で、パーシヴァルはじめ四騎士の成長譚の一部として読めば、非常によかったです。星1つってことはないです。ですが、ちょっとそこに行き着くまでのハードルが高すぎるように感じたので、初日にプレイしたときの正直な気持ちで星1つにしてしまいました。初日にどう感じたかは最後に書きます(気持ちのいい話ではないです)。まずはじっくり読んで受けた方の印象から触れます。

ヴェインとランスロットのこと

 今回はほぼゲストでしたね。のびのび活躍していて、吹っ切れているなあと嬉しかったです。特にランスロットに関しては、「救国」時点でヴェインが言っていた「明るいムードメーカー」としての一面ややんちゃな部分が多く描写されていて嬉しかったです。

パーシヴァルのこと

 前提として、氷炎におけるパーシヴァルは、自分の祖国と、自分の友人や元上司が暮らす国が戦争をするかもしれないという極限の状況に立たされた27歳男性です。
 そのせいで、王としての理想を追い求め、一見すると不遜ともとれる態度でことに当たる炎帝パーシヴァルではなく、末っ子気質の強いパーシィちゃんになっていた、というふうに読めました。
 と思うのですが、このあたりが少し複雑だなと感じましたので、時系列にまとめますと、

 黒竜騎士団に入団。この時点ですでに母・ヘルツェロイデは亡くなっていたと思われる。
 イザベラの奸計によりヨゼフ王が死亡、ジークフリートが濡れ衣を着せられる。
 このとき、パーシヴァルにとって「理想の名君と騎士」であったヨゼフ王とジークフリートが、どちらもいなくなってしまいます。事件によって道標をなくしたパーシヴァルは一人旅に出る。(おそらくこれは、自分の理想を再発見するための旅だったのでしょう)
 旅をしている最中に、グラン/ジータと出会う。このときのパーシヴァルは、プレイヤーがよく知っているカッコよくてちょっと偉そうなパーシヴァル。
 「亡国の四騎士」で、かつての仲間と再会。かつて描いていた理想(=ヨゼフ王)とは異なるあり方のカール王を見て、心境に変化が起こる。
 フェードラッヘとウェールズが一触即発の状況に陥ったため、アグロヴァルの真意を確かめるべく帰郷。兄と向き合い、自分の理想=母の遺言であることを確認して、再出発。

 つまり、パーシヴァルもランスロットと同様に、ヨゼフ王殺害事件の際に自分を見失い、人格に影響が出ていたのではないか? と思いまして。

 パーシィちゃん(素)
    ↓
 ヨゼフ王殺害事件
    ↓
 炎帝(自分探し中)
    ↓
  亡国・氷炎
    ↓
 パーシィちゃん(素)

 という流れで、氷炎で語られた、理想主義でちょっと甘いパーシィちゃんのほうが、パーシヴァルの素の人格なのではないか
 ランスロットも、もともとは明るく気さくなムードメーカーだったのに、ヨゼフ王が死んでしまってからはそういう部分が鳴りを潜めてしまったと、救国でヴェインが言っています。

 そして、現実主義であろうとするアグロヴァルと、何があっても人を憎まないという夢のような理想を掲げながらも、信頼できる仲間たちと理想を実現していくパーシヴァルを対比して描いたお話が、「氷炎」なのだと思いました。
 パーシヴァルの本当の理想は、カール王の治めるフェードラッヘのような、国民の善意とやさしさで守られる国なのでしょう。

 氷炎はパーシヴァルの自己再発見と、兄弟というテーマに絞って語られていたので、王の器や理想については、最終上限解放のエピソードのほうでやってくれるのだと思います。
 早くレベル100にしたいです。

ジークフリートのこと

 ジークフリートさん強すぎ、もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな、と各所で言われており、公式の四コマでもネタにされてしまう……バランス調整が入ったことでゲーム的にも恐ろしく強くなり、お話での活躍も納得できてしまうジークフリート。
 でもやっぱり、シナリオイベントの全6話という尺で処理しきれない部分を全部ジークフリートにやらせた、という印象は拭えません。
 しかもジークフリートは、若い三人を導く人として一段上に描かれています。
 確かにそうなんですけど……

 ヨゼフ王の殺害の時点で、ジークフリートは、イザベラに敗北しています。このときジークフリートはランスロットにもパーシヴァルにも一切事情を説明していません。
 「救国」でようやく「力を貸して欲しい」とランスロットたちに告げ、イザベラを倒します(しかしなかなか事情を説明してくれませんでした)。
 「亡国」ではウェールズ家の不穏な動きに気づいていながら、国内への侵攻を許してしまいます。侵攻は自分ひとりでなんとかしてしまいましたが、フェードラッヘの都は危機的な状況に陥ります(しょっちゅう所用でいなくなっていたようですが事情は説明していませんでした)。
 「氷炎」では、うごめいていた陰謀をひとりで全部なんとかしました(ただ、事情は説明しないと明言しておりました)。

 という感じで、ジークフリートの問題解決能力は、ちょっとずつですが強化されています。
 なぜかと言えば、ヴェインとランスロットが成長しているからです。
 ジークフリートがひとりですべて解決したのではなく、本筋の問題をヴェインとランスロットに任せられるようになったから、二手に分かれることが可能になったんです。
 しかしそのことに自覚的なのはおそらくジークフリートだけで、ヴェインとランスロットは「すげえぜジークフリートさん!」しか言いません。ジークフリートも口下手だからなのか、そのことをヴェインやランスロットに言葉では伝えていません。
 ここは残念ながら作劇上の都合もあると思うのですが、パーシヴァルの言うとおり、ジークフリートは自分の握っている情報をもっと仲間たち(部下とか弟子とかではなく「仲間」)に開示すべきです。そもそも、イザベラに遅れを取ったのも、自分とヨゼフ王以外に霊薬の秘密を共有している者が騎士団にいなかったことが致命的な理由だと思うので、情報共有を疎かにするジークフリートの行動の仕方は、ちょっと理解しがたいです。一応パーシヴァルから「その勘の鋭さがあれば未然に危機を防げるのでは?」と突っ込まれてはいますが……

 というのが、私の「氷炎」の解釈なのですが、この解釈にたどり着くまでに相当の時間と考察と深読みが必要でした……以下はクリア時の素直な感想です。

終わったその日の印象

 氷炎のストーリーの第一印象は「雑だなあ」でした。
 パーシヴァルが王としての理想を全然話さず「弟」であることに終始したこと、アグロヴァルとの最後の会話でパーシヴァルが語る理想のふわふわした感じ、陰で行われていたことについてプレイヤーが直接目にすることはなく、ジークフリートが全部こっそり解決していたこと。ジークフリートの視点が少しだけ出てきたダルモア公国の件はともかく、竜脈の魔力を吸い上げるための陣などについては、劇中で一瞬でも目にする機会があればよかったのにと思ってしまいました。『ぐらぶるっ!』でも「もうあいつ一人でいいんじゃないかな」っていうネタにされていましたし。
 亡国の裏で糸を引き、さらにはフェードラッヘ以外のキャラクターのフェイトエピソードにすら名前が出てくる『ウェールズ家』がどんな家なのか、パーシヴァルが直面する問題はどんなものかといったことについて、1年期待をふくらませて待って、満を持して出てきた結果が「悪いのは第三者、つまり幽世の住人でした」という結末は、正直に言って残念でした。酸いも甘いも噛み分けるような話にしてほしいという気持ちがあったようです。救国ではイザベラの「騎士あがりの馬鹿が」といった身分を差別する発言があったり、そもそもフェードラッヘには義務教育がなかったりと、言い方は悪いですがお花畑にとどまらないシビアさがあるのが一つの魅力だなと感じていましたので……
 加えてウェールズ家というか、アグロヴァルがとても小物に見えてしまって……一見すると、アグロヴァルの周到な準備も、ジークフリート一人によって潰えたように見えてしまいます。あの展開は悲しかったです。

プレイヤーの読解力にお話を委ね過ぎでは?

 クリア時の私と似たような感想を持った方、多分いると思います。
 実際のところ、アグロヴァルの入念な計画をジークフリートが潰せたのは、前述のようにヴェインとランスロットが成長し、一番大きな問題を彼らが担当できるようになったからだとは思います。しかしザーッとお話を読んだだけだと、ジークフリートさんが全部ひとりでやってしまったように見えてしまいます。パーシヴァルもなんだか急に甘ちゃんなことを言い出したように見えてしまいます。
 大半のプレイヤーは、シナリオイベントについて深読みしたり、考察したり、まして二次創作をしたりはしません。月末のちょっとした楽しみとしてお話を読むだけのはずです。
 そういう人にとって「氷炎」は説明が足りなすぎますし、作りが雑だと感じます。そんなわけで、星1つにしてしまいました。
 パーシヴァルについて深く考えてきた一流家臣の人たちにとっては間違いなくご褒美のイベントなのですが、読み手が好意的な解釈を加えないと見えてこない部分があるというのは、悲しく思います。
 とはいえ私のパーシヴァルやジークフリートの解釈が大幅に間違っている可能性もありますが……結局、こうあってほしいという願望を押し付けているだけなのかもしれません。
 「パーシヴァルは理想主義者である」という結論は、私にとっては、これまで作ってきた「理想を追い求めたいと思っていながらも、現実を知っており、現実主義者でしかいられない」という自分の中のパーシヴァル像を覆すものだったので、咀嚼に大変時間がかかってしまいました。

 てなわけで長々と書いてしまいましたがこれで終わりです。
 これからも四騎士関連は続いていくみたいなので(ヴェインSSRの話も出ていますしね)まだまだ楽しませてくれることと思います。でもお財布への刺激はもう少し抑えめにしてもらえると嬉しいな~!